
あなたは睡眠がどれほど重要で、どのように役立っているかご存じですか。
心身を休息状態に導く睡眠ですが、健康な暮らしを維持するにはぐっすりと質のよい眠りをとることが重要です。
睡眠不足は、うつ病から心血管疾患まで、多くの健康問題に関連するのです。
心体の疲れをリフレッシュし健康的な毎日をおくるために、「ホント?!おどろきの睡眠効果」で情報をキャッチしてください。
目次
- 記憶やスキルは睡眠中に向上する!
- 長生きしたいですか?そのためには質のよい睡眠を
- 十分な睡眠は炎症を抑える
- 創造性に拍車をかける
- アスリートがパフォーマンスを向上させる簡単な方法
- ダイエットを考えているなら
- 運転中の眠気は、アルコールと同じくらい危険!
- ストレスを軽減
- 睡眠不足は、うつ病の一因となる可能性があるので注意が必要
- まとめ
1. 記憶やスキルは睡眠中に向上する!

目覚めている間に練習したことや学んだことは、じつは睡眠の間に強化されます。これは「統合」と呼ばれるプロセスです。
記憶やスキルは睡眠中に向上するという、ちょっと不思議に思える作用が睡眠にはあるようです。
肉体であれ精神であれ、なにかを学ぼうとしているのなら、練習することである程度までそれはできますよね。
ところがあなたが眠っている間に、なにかが起こり、あなたはそれをよりよく記憶にとどめられるように作用を及ぼしているのです。
たとえば、スペイン語であろうと新しいテニススイングであろうと、なにか新しいことを学ぼうとしているのであれば、寝た後、目覚めたときに能力は向上しています。
2. 長生きしたいですか?そのためには質のよい睡眠を

あなたは長生きしたいですか?
睡眠が多過ぎる場合も、少な過ぎる場合も、寿命に影響が出るようです。
一晩あたり5時間未満は少な過ぎで、6時間以上の睡眠がお勧めです。
また睡眠は質が影響を及ぼすので、よい睡眠をとることが大事なのです。
それでは、よい睡眠をとるためにしたいことを、書き出してみます。
まず朝、目覚めたら日光を浴び、それから朝食をとることで体内時計が働き出します。日中は適度な運動を心がけてください。わたしは朝、水泳をしています。
夜の入浴はシャワーよりもぬるめの湯船にゆっくりとつかってリラックスしましょう。
就寝前の食事は避けます。眠っている間も胃が休むことができず、成長ホルモンの分泌も妨げることになるからです。カフェインや喫煙も睡眠の質を低下させますが、深酒は禁物です。早く寝付くことはできますが、眠りが浅くなってしまうので、アルコールはほどほどに。
美肌つくりのためにも欠かせない成長ホルモンは、深いノンレム睡眠のときに放出されます。それは何時に寝たとしても、睡眠開始から最初の2、3時間で出現することが多いのです。
また寝る前は、インターネットやゲーム機、LED照明などのブルーライトは寝付きを悪くするので控えましょう。その理由は、睡眠のリズムを調整するメラトニンを抑制してしまうからです。
メラトニンは脳の松果体から分泌されるホルモンです。睡眠のリズムなどを調節していると考えられています。
日中、強い光を浴びるとメラトニンの分泌は減少します。
そして夜、暗くなってくると分泌量が増え、脈拍や体温、血圧を低下させます。こうして眠る準備ができたとあなたの体が確認し、睡眠に向かわせるのです。
また朝日を浴びて規則正しく生活することで、メラトニンの分泌する時間や量は調整されます。不規則な生活や太陽光を浴びない生活を続けるとメラトニンはうまく分泌されません。不眠症などの睡眠障害の原因となるので注意してください。
メラトニンは1~5歳の間が一番多く分泌され、歳を重ねるごとに分泌量は減っていきます。高齢の方が眠る時間が短い傾向にあるのはこのためです。
3. 十分な睡眠は炎症を抑える

恒常性を維持するために起こす防御的反応の炎症。炎症を起こすことで警告をしているのですが、慢性炎症は万病の元ともなります。
炎症は心臓病、脳卒中、糖尿病、関節炎、早期老化などに関連します。決してあなどってはいけません。
ここで大事なこととして、十分な睡眠は炎症を抑えるので、病気を予防するためにもとても重要だということです。
1晩6時間以下の睡眠が少ない人は、睡眠が十分に足りている人よりも、炎症性タンパク質の血中濃度は高くなり、免疫力も低下することが研究されています。
4. 創造力に拍車をかける

あなたの脳は記憶を統合したり強化させたりすることに加え、それらを再編成し、再構築しています。
ハーバード大学とボストン大学の研究者は、記憶の感情的な要素は、睡眠中に強化されているように見えることを発見しました。これは創造的なプロセスを促進するのに、睡眠が役立っている可能性があるということです。
眠っているとき意識は減退し、周囲で起こっていることに対して反応が低下しているのに、脳は起きている間に行われたことを編集し、構築し直して、脳の記録のページに編纂(へんさん)しているようです。
あなたが経験したことは編集されて、心体に記憶として残されます。それを脳は、意識と心体機能が低下している周期的な眠りの間に行い、定着させているということです。
ですから想像力に拍車をかけるには、安眠が非常に効果的に作用するとみてよい、と考えられます。
5. アスリートがパフォーマンスを向上させる簡単な方法

あなたがアスリートなら、パフォーマンスを向上させる簡単な方法が1つあります。それは睡眠です。
スタンフォード大学の研究によると7~8週間、夜に少なくとも10時間、眠った大学フットボール選手は、平均疾走時間を改善し、日中の倦怠感も少なくスタミナが多いことがわかりました!
これは、テニスプレーヤーと水泳選手でも見られた以前の研究で発見した結果を反映するものだった、ということです。
6. ダイエットを考えているなら

あなたがダイエットを考えているなら、より早い就寝時間を計画した方がいいかもしれません。
シカゴ大学の研究では、十分に休息をとったダイエットの実践者は、睡眠不足でダイエットをするよりも多くの脂肪が落ちることが分かりました。
睡眠が少なくなると空腹感が増したと、研究に参加した食事療法士は述べています。
睡眠と代謝は、脳の同じセクターに制御されているのだそうです。
あなたが眠いとき、特定のホルモンが血中で上昇し、食欲を駆り立てるのです。
7. 運転中の眠気は、アルコールと同じくらい危険!

米国での10年ほど前のことですが、国土交通省道路交通安全局は、ドライバーの寝不足が脇道での衝突につながり、アルコールよりもさらに多く致命的な事故の原因になっているという報告をしました。
運転中の眠気は、アルコールと同じくらい危険!ということです。
日本でも2012年、関越自動車道高速バス居眠り運転事故の記憶をとどめていると思います。この都市間ツアーバスの事故は防音壁に衝突して乗客7人が死亡、乗客乗員39人が重軽傷を負った痛ましいものとなり、これが契機となって高速ツアーバスは廃止されました。
このバス運転士は、睡眠障害のひとつで、睡眠時無呼吸症候群だったことが確認されています。
睡眠時無呼吸症候群の原因として最も多いのが、肥満です。
2003年には、JR西日本の山陽新幹線の運転士が約8分もの間、居眠り運転で走行していたという報道も記憶していると思います。このときの運転士も睡眠時無呼吸症候群だったのです。
こうした事例からも、人々の睡眠不足に警鐘を鳴らす必要を察知したスタンフォード睡眠研究所の創設者デメント教授は、早くからこの問題を指摘しました。アメリカでは、特に長距離トラック運転手に睡眠時無呼吸症候群の患者が多く、運転中の眠気が事故につながるケースが多かったからです。
眠気の問題意識は、ほとんどの人にとって、過小評価されていますが、社会へのコストは莫大(ばくだい)です。
不眠症は、反応時間と意思決定に大きな影響を与えます。
睡眠不足は、アルコールを飲むのと同様に運転能力に悪影響を与える可能性があることを忘れてはならないと改めて考えさせられます。
8. ストレスを軽減

健康に関していえば、ストレスと睡眠は、ほぼ同じで、どちらも心血管に影響を与える可能性がありますが、眠ることで、間違いなくストレスを軽減できます。
睡眠は、心臓病に重要な役割を果たすコレステロール値に影響を与えると考えられています。あなたの血圧をよりよく制御することにつなげているのです。
心臓と血液はあなたの体をつかさどる要ですから、ストレスをいかに回避させるかは、根本にかかわる特に重要な問題です。
ストレス解消法のひとつとして考えられることは暴飲暴食には走らずに、十分な睡眠で心体を養生するよう心がけることです。
それには運動を日々の生活に組み込むことも一案です。
運動は体も精神も元気に活性化させ、気分を一新させます。そのうえ体はおのずと適度な疲労回復を自然に欲求するので、よく眠れるようになるのです。
9. 睡眠不足はうつ病になる可能性があるので注意!

質のよい眠りは、精神的にも肉体的にも度を越す過敏な反応をやわらげ、あなたに多くの好機をもたらしています。
どういうことかというと、睡眠不足は長引いて慢性的な状態に進んでいる状態では、うつ病の一因となる可能性があるからです。
しかし、ぐっすり眠ることは、気分が悪くなるようなできごとがあった場合にも、不安を軽減するのにとても役に立ちます。
それはよく眠ると、感情的な安定が得られるためです。
不安や焦りの原因が取り除かれずに長時間にわたって続いた週は、週末の睡眠の補いでは、必ずしも不足をまかなうことはできないと主張する医師もいるほどです。
週末に寝だめをすると、次の週は十分に眠ることができなくなる悪循環を招くケースもあるので、いちばん肝心なことはバランスを見つけて、それを習慣にすることです。
10. まとめ

いかがでしたでしょうか。睡眠には驚くべき効果があることがご理解いただけたと思います。
睡眠時間は長過ぎてもいけません。睡眠障害には不眠症と過眠症があります。
たくさん眠るのがよいというのではなく、質のよい適度な安眠が大切ということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
休みの日の寝だめも、通常より2時間以上はお勧めできません。毎日の生活に決まったリズムのサイクルをとり入れることがなによりも大事です。
気持ちよく寝床につき、翌朝には爽快に目覚められることは当たり前のことのようで、なかなか難しいという環境の方も多いことでしょう。
それでもあなたの人生のおよそ三分の一を費やすのが睡眠です。
これを契機に今まで以上に規則正しい暮らしのサイクルとして見直し、「眠り」の価値を見いだしていただければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。