バラとアジサイ – 春から夏へ

バラとアジサイ
バラとアジサイのある居間

花を時間の経過とともに活かす方法をご覧いただきたいと思います。

春から夏へと移りゆく季節。バラとのアジサイのアレンジメントを楽しみましょう。

人気の高い品種なので、今は一年を通して仕入れることができますが、贈り物や部屋に飾るのに、季節感を盛り込むといっそう喜ばしいのもになります。

 バラのお話し

バラは、花の王女と言われるように、すぐれた花容、花品、香気などの特長があります。古くから世界中で栽培された観賞用植物の一つです。有史以前から栽培されていた事実は、各地に残されている彫刻や壁画などの遺跡がそれを物語っています。

我はけさ うひにぞみつる 花の色を あだなるものと いふべかりけり

紀貫之 『古今和歌集』

わたしは今朝初めて見ました。花の色は移ろいやすくはかないものでした。

題詞(詩歌の初めに、それが作られた日時・場所・背景などを記した言葉。詞書)は「そうび(薔薇)」と記された和歌ですが、推して延期五年(905)頃には中国から渡来した長春花(コウシンバラ)が、観賞の対象として栽培されていたことがうかがえます。

バラの発祥地は、ほかの多くの植物と同様、「世界の屋根」のヒマラヤやカラコルム山脈のふもとの平原といわれています。この原産地からどのように広がったのか定かではありませんが、北半球の亜熱帯や湿帯、寒帯にわたり、北は極圏から南はメキシコ、フィリピン、インド洋の諸島、エチオピアに及ぶ地域に、300近い種、亜種、変種が自生しています。

バラ類は直立かつる性の低木、茎には通常とげがありますが、長い栽培の歴史のあり種間交雑しやすい性質のため、次々と新しい系統が作り出されてきました。今や1万5000種なろうとしています!

 アジサイのお話し

アジサイはユキノシタ科の落葉低木で、奈良時代からあった日本に自生するガクアジサイが原種です。現在はセイヨウアジサイが主流で日本もこれを逆輸入した形になります。ヨーロッパへは18世紀の終わりに、日本から中国に渡っていたアジサイがイギリスのキュー王立植物園に導入されたのが初めです。

キューガーデンの日本庭園と建物

キューガーデンにある日本庭園。1910年にロンドンのホワイトシティで開催された日英博覧会のために作成された日本ゲートウェイは、京都の西本願寺の勅使門(ちょくしもん。勅使が寺院に参向した時、その出入りに使われる門)の5分4の縮図で、16世紀後半の桃山時代の建築様式で建てられています。

アジサイには毒があるといわれますが、厚生労働省のホームページを調べたところ、毒性成分は、未だ明らかではないとしたうえで、アジサイの葉、ヤマアジサイの変種の甘茶で嘔吐の症状が見られた例があると記載されていました。

同ホームページには、「アジサイの原産地は日本で、園芸植物として世界各地に広がり、100種以上の品種があり、花の色は産地や同じ株でも赤や青など変化に富み、俗に「七変化」と言われている」と記載があります。

白やピンクや青などの色の違いは、開花前のつぼみのなかにあるアルミニウムの量に左右されます。普通の土壌でピンクの花は、酸性土壌では鮮やかな青になります。この青色は土中に硫酸アルミニウムを追加することで維持できます。反対にピンクの色は、石灰を与えることで維持できると『ブリタニカ国際大百科事典』に載せられていました。

アジサイは『万葉集』に二首、詠まれていますが、そのうちの一つ。

【原文】 事不問 木尚味狭藍 諸弟等之 練乃村戸二 所詐来  大伴家持

【よみ】 こと問わぬ 木すら味狭藍(アジサイ) 諸弟(もろと)らが 練(ねり)の村戸に あざむかれけり

【意味】 ものを言わぬ木にさえ、アジサイのように鮮やかに移ろいやすいものがあり、ましてや手管に長けた諸弟の言うことに、私は騙されました。

題詞には、「大伴宿祢家持、久邇京より、坂上大嬢に贈る歌五首」とあります。遷都した久邇京(=恭仁京 740~744)にいる家持が、平安京の大嬢(おおいらつめ 大娘)に贈った五首の相聞歌(恋の歌)の一つです。後に、大伴家持は坂上大嬢を妻にしました。ただ、未だ意味が不明で、万葉集の中の難解歌の一つとされています。

春から夏へと移りゆく季節、花のある暮らしをお楽しみくださいね。

 バラとアジサイのアレンジメント – 春から夏へ

アジサイとバラ
バラとアジサイ

花瓶を変えると、雰囲気がガラリと変わります。口の広がり方の違いで、生け方も変わってきます。

アジサイの水風呂

水が下がりやすいので、茎を切ることと一緒に、こまめに水風呂に入れてあげてください。水が下がってきたなと思ったら、早め早めに行うと、水が上がったときに、花弁の縁が黒くならずに済みます。

アジサイとバラ

バラは、首が垂れてきたので、水につけて茎を切ってから、水風呂に。数時間するとしっかりと立ち上がってきます。茎を短くしたので、生け替えました。

薔薇の花びら
最後は、花びらにして生かします。
白いアジサイ
アジサイはボリュームがあり、一輪でもそれだけで絵になります。

いかがでしたでしょうか。気候が暖かくなってきたので、花の持ちは短くなりますが、手入れをすることで、幾通りにも楽しむことができますので、ぜひ応用してください。その都度、新鮮な空間が生まれますので、安らぎも共にもたらされるのが嬉しいですよ。

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