カーテンを縫う(二重 裏付き)

カーテン(裏地付き)
応接間のカーテン

ジャガード生地

カーテンは外来品なので、残念なことに日本のデザインはまだまだ乏しいですね。カーテン用品も品揃えが少なくて気に入ったものを見つけることはなかなか難しいです。わたしはピンタレストが大好きで色々なカテゴリーで写真を集めていますが、カーテンも欧米のインテリアを参考にしています。

先日来わたしは、1億1100万点の品揃えの中国のネットショップ・アリエキスプレスを知って、夢中になっています。カーテンや椅子の張り替えに適したジャガード生地は、業者でない一般消費者には見つけることが難しく自分で作り直すのがなかなか適いません。ところがこの中国のネットショップではあらゆるものがお手ごろ価格の上、種類が豊富で驚かされます。これが欲しかったのよ!といったものが見つかるのです。たとえばさまざまなモールディング・取手・ミラーロゼット(パネルミラーの間と間の装飾留め具)・家具や壁の装飾アップリケ(木彫り)・陶花・壁紙などなど。ヨーロピアンスタイルのファニチャー用品に限ったことではなく、さまざまな範疇の品が揃えられていて本当にびっくりします。実店舗のパリのデパートよりも品揃えが抱負に感じられます。

そんな折、カーテンに使えそうなしっかりした生地を見つけました。姉が「部屋が真っ黒」と呟いた言葉に、はたと見渡してみると仰る通りで、黒い額や黒いパテーションで窓まで潰してしまっています。畳にすると十畳ほどの狭い空間なので、置く場所に困っての苦肉の策には違いないのですが、どんどん黒い調度品が部屋を暗くしています。鉄筋コンクリート造りではありますが、築50年の古い家屋の応接間を少しでも明るい色の取り込みで変化をつけようと思った次第です。

ギリシア雷文

裏地に使用したジャガード生地は、正方形のパターンをつくりながら規則的に一定の方向に連続していく蛇行曲線の柄で、これはギリシア雷文(メアンダー文様とも トルコを曲流するメアンダー川の名に由来)といいます。新石器時代にバルカン地方のドナウ川流域のトリポリエ文化・ディミニ文化において土器の装飾文様として始まり、やがてアッペンニーノ山脈文化(イタリア)に引き継がれ、ギリシアの幾何学紋様として開花しました。連続した模様には「永遠」という意味合いもあり、縁起がよいと言われています。中国でも同じように古くからある図柄です。

ギリシア雷文
エレトリア(ギリシア)の花瓶の画家による「アッティカの赤いフィギアカップのトンド(円に内接する絵) 」紀元前440〜435年 ルーヴル美術館蔵 (絵の説明:右のリノス(名前)はパピルスロールを持っていて、生徒のムーサイオスは筆記用タブレットを持っています。)

雷文はアールデコでもよく使われる装飾文様なので合うはずなのですが。でも螺鈿のパテーションや棚や引き出しなどシノワズリが多いので、中国趣味がさらに強調されることになってしまうかもと思っていたところに、相当お得なシルク100%のシャンタン生地を見つけたので思い切って買い足したのです。そしてこのシルクの方を表にすることにしました。前からシルクのカーテンに憧れていたのです。シルクは中肉でジャガードと重ねると、なんとも贅沢な肉厚の仕上がりになりました。裏地に凝るのはリッチですね。装飾のフリンジは単位が6mもあったので、カーブを描くところだけで構わないので、その下から裾までは省き、上部のクリップで挟む箇所に、残りの余分を張りました。タッセルは通常通りだろうと思いサイズを確認しなかったので、到着した品の大きさに戸惑いましたが、まあまあ許容範囲。各々のパーツをお手頃に揃えることができて大満足です。部屋の表情が変化すると気分も変化します。暮らしが楽しくなりますね。

シノワズリ

ちなみにシノワズリ(仏: chinoiserie)とは、17世紀の初めにヨーロッパに登場して流行した中国趣味の様式美です。中国語を意味するフランス語「chinois(シノワ)」に由来します。中国芸術に対するヨーロッパ解釈で、その中国芸術を模倣したのです。

フランソワ・ブーシェ 『中国の庭』(1742年)
フランソワ・ブーシェ 『中国の庭』(1742年)

はじめ、東インド会社の活動が盛んだったオランダやイギリスなどの芸術に中国デザインの兆候が現れました。植民地時代の中国や東アジア諸国との貿易の拡大化によってもたらされた異国趣味のスタイルがシノワズリです。「シノワズリ」という用語で示される「中国」は、ヨーロッパの人々からすると中国だけではなく、日本、韓国、東南アジア、インド、さらにはペルシャをも包含するより広い地域を表していました。「オクシデント(西方 日の沈むところ 西洋・西欧)」に対する「オリエント(東方諸国)」のスタイルが、この時代においてインスピレーションの源となったのです。豊かなイメージとオリエンタルなスタイルの調和のとれたデザインは、理想的な世界を反映するもので、そこから文化を再形成するためのアイデアを引き出したのでした。このため、シノワズリのスタイルは、西と東の間の交換の重要な結果と見なされています。19世紀、特に後期には、シノワズリのスタイルは次の一般的な定義の下で同化されました。それはエキゾチシズム(異国趣味)。

シノワズリ
シャネルの自宅のシノワズリの漆の衝立
シャネルの自宅のシノワズリの漆の衝立

裏地付きカーテンの特性

カーテンに話を戻しましょう。裏地をつけて二重にすると、夏は強い日差しを遮ることができ、温度の上昇を防ぎ、UV効果ももたらします。そして冬は窓からは室内温度が50%も逃げるといわれていますが、暖房の温度を逃しません。外からの冷気も緩和されます。見た目だけではない効果があるので、カーテンは厚地をお勧めします。

レースのカーテンは巾250cm。一反買ってあるので、いくら使っても生地が減りません。上掛けのカーテンと共にシェルの形をした金のクリップで挟んでいます。

【表地:シルクシャンタン140cm/w 1.750円/m】 【裏地:ジャガード150cm/w 2.590円/m】 【タッセル:1.991円/1pair】 【フリンジ:4.121円/6m】

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