母なる神女、先史日本

真行寺君枝

 連塾

少し前のことになるのですが、2003年から2012年まで続いた連塾という日本文化を学ぶ会がありました。慶應義塾大学出身のお三人、新宅正明さん(元日本オラクル代表)、黒澤保樹さん(元シスコシステムズ代表)、金子郁容さん(慶応大学)が「日本のこと、知らないよね。教わりたいね。」、ということで、編集工学研究所の松岡正剛さんにお願いをして始まった勉強会でした。代表理事は資生堂名誉会長の福原義春さんで、わたしも当初から参加して学ばせていただきました。

本日、ご紹介させていただく、『母なる神女、先史日本』は、松岡先生に手解きを受けて書き上げたもので、連塾で発表しました。先生が仰ったのは、「別々のことを一つに組合わせる」というアドバイスでした。

松岡正剛と真行寺君枝
松岡正剛 塾長

 牡丹に唐獅子

朗読する真行寺君枝
築地本願寺・本堂

このときの塾のテーマは福原さんの提案で「牡丹に唐獅子」でした。それなので、冒頭でこのフレーズに触れています。「唐獅子牡丹」というのは高倉健さんの映画の主題歌で知っていましたが、「牡丹に唐獅子」という言葉は聞いたことがありませんでした。福原さんは幼少期に聞いた懐かしい唄のひとつとして、記憶に留めているそうです。

調べてみると、江戸しりとり唄に「牡丹に唐獅子」がありました。幕末から明治初期に流行し、お手玉や毬つき唄、子守歌としても歌われたそうです。

「虎に竹」がお決まりの組み合わせのように、「獅子に牡丹」も古くからの付き物だったのですね。

日本画「牡丹に唐獅子」江戸時代
「牡丹に唐獅子」江戸時代

 母なる神女、先史日本

わたしは連塾で学ぶまで、自国の文化にほとんど関心がありませんでした。わたしは1959年生まれなので、第二次世界大戦が終わってから14年後に生まれました。杉田二郎さんが歌う「戦争を知らない子供たち」(1970年)を聴いて育ち、戦争の面影は目には映りませんでした。

それでも傷痍(しょうい)軍人が、人通りの多い駅前などでアコーディオンを演奏し、物乞いしていたのは覚えています。あまりにも物悲しくて、子供ながらに寄付をせずに通り過ぎることはできませんでした。駅に行く度、また見かけるかもしれないと思うと、それがたまらなく嫌でなりませんでした。

話が逸れてしまいましたが、欧米人の生活に憧れて育った世代です。戦争を認めるようなことは1%たりともないと断った上でのことですが、日本は悪いという東京裁判史観を植え付けられて育った世代です。

そうした思考停止状態にあったわたしは、連塾で日本の文化を通して、日本を知りはじめました。日本を愛おしく思います。

初めて自分の頭で考え、見つめた日本です。朗読をご高覧いただければと思います。音は即興で、息子の弦人がエレクトリックギターを弾きました。親子の呼応、ぜひご覧になってください。

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